長文ちうい

nishikitaitei2005-07-22

摺上原の合戦ゲームのルールでけました。
何せ、げえむでざいんも初めてなら、ルール書くのも初めてなので、他の人が読んでも理解してもらえるかな?
で、全文掲載(無謀!)
(尚、コミケ発表版とは少々内容が異なりますので悪しからず)

あと、画像は冬コミに向けての抱負ですw



1.はじめに
この作品は、天正17年(西暦1589年)に会津磐梯山麓・摺上原において、伊達家と葦名家の間に戦われた合戦をシミュレートするものです。
ゲームスケールは1ターン約1時間、1へクスが約200m、1ユニットが250〜1000人の部隊を表しています。

2.ゲームカウンター
この作品には以下のカウンター(駒)が用意されています。
・指揮官(武将)ユニット
 
騎馬武者のシンボルが入っているユニットが指揮官ユニットです。各武将はそれぞれ指揮範囲を『2』持ちます。★印はその指揮官の戦意を表します。戦意はそのままその武将が率いる郎党ユニットの移動力及び戦闘力になります。なお武将名が白抜きになっているユニットは「総大将」です。
・郎党(戦闘)ユニット

 凸印と武者のシンボルが入っているユニットが郎党ユニットです。指揮官ユニットの指揮下にないユニットはそれぞれ、「1」戦力「1」移動力を持ちます。シンボルに特別な意味はありません。
・フォーメーション活性化チット

 そのターンにおける行動の順番をランダムに決めるカウンターです。右肩の数字はゲームに投入できるターン数を表しています。
この合戦に参加した武将の中には同姓の武将が幾人か存在しており紛らわしいので注意してください。
以下に一覧を示しておきます。
武将名  郎党    活性化チット
伊達政宗 政宗本隊  政宗
伊達成実 成実隊   成実隊
富田隆実 将監隆実隊 隆実隊
富田氏実 富田氏実隊 氏実隊
平田氏範 平田氏範隊 氏範隊
平田舜範 平田舜範隊 瞬範隊
その他にターンマーカー・士気マーカー等がありますが、使用方についての説明は後述します。
・ゲームの備品
マップ A3一枚
ユニット 80個
(尚、この作品のプレイには6面体ダイスが二個必要ですので、各自で用意しておいて下さい)

3.プレイ手順
1.行動開始フェイズ
行動を望む全ての活性化チット及びそのターンから行動可能な武将の活性化チットをカップ等の容器に投入します。
2.行動フェイズ
カップから引かれたフォーメーションチットに書かれている武将と指揮下或いは非指揮下の郎党ユニットを以下の順番で行動させます。
・移動セグメント
指揮下確認の後に移動を実行します。
・戦闘セグメント
指揮下確認の後に戦闘を実行します。
(尚、武将の中には移動または戦闘のどちらかしか実行出来ない武将がいるので注意してください)
3.ターン更新フェイズ
ターントラック上のターンマーカーを次の欄に進めます。

4・指揮官
指揮官ユニットはこの作品をプレイする上で大変重要なユニットです。
全ての指揮官は身分に係わらず、それぞれ『★マークと等しい数の戦意』及び士気範囲を『2』持つものとします。
ある指揮官の指揮範囲内にある『郎党ユニットの移動力及び戦闘力はその指揮官の戦意と同等』と見なします。
士気範囲から外れた郎党ユニットは1移動力・1攻撃力しか持ちません。
指揮範囲は敵ユニットの存在を無視して各郎党ユニットを指揮下にできます。
指揮官は常に自分の指揮下にあるユニットとスタックして行動します。単独でMAP上に存在出来ません。そのような指揮官は討ち死にした物として扱います。
・討ち死にチェック
郎党ユニットとスタックしている指揮官ユニットが戦闘により除去されたら、ダイスを一つ振り、出目が「6」の場合、討ち死にした物としてゲームより除去します。
指揮官と郎党ユニットが後退出来ずに除去された時は「5・6」で除去します。

生き残った指揮官は最寄りの郎党ユニットに再配置されます。また配置されるべき郎党ユニットが存在しない場合は討ち死にした物として扱います。

5.活性化
この作品はターン毎に活性化チットを引いて行き、それぞれの武将に行動を行わせていきゲームを進めていきます。
引かれた活性化チットに書かれた武将と指揮下の郎党ユニットだけが行動出来ます(例外あり)この組み合わせを「フォーメーション」と呼びます。
引かれたチットに「移動&戦闘」と書かれている場合「移動」した後に「戦闘」が行えます。
引かれたチットに「移動or戦闘」と書かれていた場合「移動」或いは「戦闘」のどちらかしか実行できません。
ゲーム開始直後は両軍共総ての武将が活性化出来るわけではありません。第1ターンから活性化できるのは、葦名勢は富田隆実・佐瀬常昌・松本源兵衛の3名、伊達勢は猪苗代盛国のみです。
活性化できる部隊はターンの進行と共に増えて行きます。活性化チットの右肩に表記されている数のターン開始時にチットをカップに投入してください。
 行動開始となった各指揮官ユニットは、最初の移動時に限り自分の配置ラインより後方に移動する事は出来ません(その後のターンの移動は自由にできます)
 なお、状況に係わらず、フォーメーションが行動開始以前に敵に隣接された場合は直ちに行動開始となります。

6.移動
移動は自軍の活性化チットが引かれた際にその「フォーメーション」に属するユニットを移動力の範囲内で移動させる事が出来ます。
指揮官とその指揮下にあるユニットの移動力は、その指揮官の戦意(★の数)と同数の移動力を持ちます。
指揮範囲外にあるユニット及び、指揮官が討ち死にしたユニットの移動力は「1」移動力になります。
あるユニットの移動が終了したら、そのユニットは相手プレイヤーの合意がない限り次のターンの移動フェイズまで戦闘結果による後退以外で再び移動する事は出来ません。
移動の途中で『敵に隣接するヘクス』に進入した場合、直ちに「移動を終了」させます。
移動開始時に『敵に隣接』しているユニットは移動できません。
味方ユニットが占めるヘクスには進入出来ません(通過も不可です)
・平坦地の移動力消費は「1」移動力です。
・丘陵地の移動力消費は「2」移動力です。
・平坦地と丘陵地が混在する地形は斜面と見なします。斜面から斜面への移動消費は「1」移動力です。
・平坦地から斜面に進入する場合は「2」移動力消費します。
・丘陵地から斜面への進入は「1」移動力消費します。
・湖沼等の水面が全体に及んでいるヘクス及びヘクスサイドは進入不可とします。水面と他の地形が混在している場合は水面以外の地形とみなします。

7.戦闘
 敵ユニットに隣接したユニットは「一部の例外事項を除いて」必ず戦闘を実行しなければなりません。ただし、各ユニットは戦闘を実行する義務があるだけで、隣接した全敵ユニットを攻撃する必要はありません。
攻撃/防御側共に戦闘に参加する指揮下のユニットは所属する指揮官の戦意(★の数)と同数の攻撃力を持ちます。
攻撃側は「同じフォーメーションに所属する複数のユニット」で敵を攻撃することも可能です。この場合攻撃するユニット(便宜上「先導ユニット」と呼びます)以外のユニット『1つにつき1戦闘力』を加える事が出来ます。
●戦闘の例外
・士気範囲外にあるユニットは共同攻撃に参加出来ません。またそのようなユニットが唯一とれる戦闘行動が共同攻撃の場合に限って戦闘に参加しなくても構いません。
・活性化チットに「移動or戦闘」と書かれている武将のフォーメーションは「移動」を選択した場合に限り、敵に隣接しても戦闘を強制されません。しかし、移動開始時に1ユニットでも敵に隣接していた場合「戦闘」を選
択しなければなりません。
・水面へクスおよび水面ヘクスサイド越しに戦闘は発生しません。
両軍プレイヤーは、ダイスをそれぞれ1個振り、出た目をそれぞれの戦闘力に足します。
合計数の差を求めて以下の戦闘結果を適用します。
■0の場合
引き分け、両軍とも効果無し。
■1〜3の場合
 合計数の少ない方は戦闘に参加したユニットを全て1へクス後退させます。
どのヘクスに後退するかは後退するプレイヤーの任意ですが、『敵に隣接するヘクス』、水面へクス及びヘクスサイド、盤端には後退出来ません。後退できないユニットは除去されます。
味方の占めるヘクスには後退出来ますが、その場合、その味方ユニットも後退させなければなりません。これを「連鎖後退」と呼びます。またこのような退却時も上記制限に則って後退させなければなりません。
■4以上の場合
 合計数の少ない方は戦闘に参加したユニットを除去します。この際、共同攻撃を選択していた攻撃側プレイヤーは「先導ユニット」を1つだけ除去し、他のユニットは1ヘクス後退させます。
敵の後退及び除去によってそのヘクスが空いた場合、攻撃側は必ずそのヘクスに前進しなければなりません。
丘陵及び湖沼等の地形は一切戦闘に影響を及ぼしません。

8.特別ルール
・砂嵐
合戦当日、摺上原一帯には強風が吹き荒れ砂塵を巻き上げており、これが両軍の戦闘行動に少なくない影響を及ぼしました。このルールはそれを再現するものですが、各陣営で効果は異なります。
会津勢(葦名勢)
効果はゲーム開始から「3ターン目」まで続きます。
・各武将の行動開始時の移動力が(戦意に関らず)「1」増えます。
【例】富田隆実と指揮下のユニットは第1ターン目には「5」移動力を持ちますが第2ターン目からは「4」移動力になります。
富田隆実は佐瀬常昌及び松本源兵衛の活性化チットが引かれた時、両武将の行動を選択する代わりに富田隆実に移動か戦闘かどちらかを選択させ実行する事が出来ます(つまり富田隊は通常の「移動・戦闘」に加えて、二回「移動又は戦闘」を行う事が出来ます)
無論、佐瀬隊・松本隊の行動を選択しても構いません。
尚、上記移動力の増加は最初の移動時にしか適用されません。
●伊達勢
第4ターン開始時に「無風」マーカー2つと、「逆風」マーカーを中身が分からないように混ぜ、ターントラック上の4〜6ターンの欄に一つずつ裏向きに配置します。各ターンの自軍活性化チットが最初に引かれた時点で伊達方プレイヤーはチットを表に向けて以下の指示に従います。
・「無風」が出た場合は何も起きません。葦名勢の砂嵐ルールが適用されない状態でプレイを進めます。
・「逆風」が出た場合、そのターンのみ伊達方の戦意が「1」上昇します(つまり移動・戦闘力が「1」上昇します)



9・勝利条件
・以下に述べる事象が発生した場合ゲームは直ちに終了し、一方の陣営の勝利となります。
各陣営の総大将ユニット(伊達政宗及び葦名義広)を戦闘により除去する。
どちらか一方の陣営プレイヤーのプレイ意欲の喪失(投了)の時
・両軍の士気状態の勝利判定
両軍はゲーム開始時に士気値をそれぞれ「10」持っています。
戦闘により自軍のユニット及び総大将を除く指揮官(武将)ユニットを一つ除去する毎に士気値が「1」下がります。
ターン更新フェイズ時に、相手の陣営の士気値を「0」以下にしていた場合、その時点でその陣営のプレイヤーの勝利となります(尚、希に同時に士気値が「0」になる場合がありますが、そのような事態が起こった場合は「引き分け」とします)
・軍勢の進出状況による判定
ゲーム終了時までに上記条件が発生して居ない場合、ボード上の前進ライン(ヘクス番号××11)より相手側に前進している、自軍の指揮官ユニットの数が相手指揮官ユニットの数を上回っていた場合、数の多い陣営の勝利となります(この場合も同数であれば「引き分け」となります)

10.ゲームの準備
各武将・郎党ユニットはフォーメーション毎にマップ上の配置ライン上に自由に配置します。なお配置ラインは、伊達方はオレンジ色の破線、葦名方は紺色の破線で囲まれた範囲です。
 ターントラック上の一の所に、ターンマーカーを、士気トラックの「10」の所に両軍の士気マーカーをそれぞれ配置します。


作品に登場する葦名家の武将について
【葦名義広】(あしな・よしひろ)
常陸の雄佐竹義重の次男・白河氏に養子入ったが後に葦名家の養子に。葦名家滅亡後は佐竹家へ逃れ、以後家臣となる。一説には「盛重」とも
富田隆実】(とみた・たかざね)
富田将監・摺上原では烈火の如く活躍するも以後消息不明。一説に相馬家に仕えたとも、義広に従って佐竹家に逃れたとも言う。
【富田氏実】(とみた・うじざね)
富田美作・将監の父。葦名家継嗣問題では政宗の弟竺丸を推すも果たさず以後反義広派に。
【金上盛備】(かながみ・もりはる)
金上遠江・継嗣問題では義広を推挙した義広派の人物。合戦では義広を守り奮戦の後討ち死に。
【平田舜範】(ひらた・きよのり)
平田周防・詳細不明、一族は合戦後離散したが、後に上杉景勝に仕えた者もいたようだ。
【平田氏範】(ひらた・うじのり)
平田左京亮・詳細不明だが資料によっては反義広派だったような記述がある。
【松本源兵衛】(まつもと・げんべえ)
全く詳細不明、葦名家の他の家臣に佐瀬源兵衛なる人物が存在するが彼と混同されたのだろうか?
【佐瀬常昌】(させ・つねまさ)
佐瀬河内・反義広派、彼と富田美作、松本源兵衛はこの合戦中、戦を傍観していたとも言う。養嗣子佐瀬常雄が合戦終盤に殿を努め、壮烈な討ち死にをしているのは皮肉と言うべきか?